新幹線車両 全車廃車

先の台風で水浸しになった北陸新幹線用車両10編成が、すべて廃車になる運命になりました。減価償却がさほどには進んでいなかったので、廃棄金額は総額で148億円に達するとのことです。JR東日本では、上越新幹線用の新製車両を投入するなどの施策を施して、年末までには従前のダイヤに戻すとの見解を会見で発表しました。

鉄道会社の被った被害金額では、おそらく史上最高だと思われますが、それでもJR東日本ならばこその英断でしょう。廃車になる車両から、使える部品は抜き取って再生するとしていますが、電子部品関連はおそらく全滅に近いでしょう。コンデンサとか抵抗のように、単体で存在するものは使える余地があるかもしれませんが。

この発表をする前に、車両製造メーカーに対して、新造車両のための入札が行われたと思いますが、その結果はすぐに発表されることはなく、後々になって、東洋経済あたりが特集を組む際に、そういった準スクープ記事を載せてくることでしょう。鉄道車両製造に携わるメーカーは、非常に幅広く、普段目に触れることのほとんどない中小のメーカーが、意外な製品でのシェアがバカ高いなんてことが、普通に起きている業界です。

おそらく、自動車産業の裾野の広さの次に来るくらいの裾野を持っています。今回の水浸しの映像を見た瞬間に、いったい、どのくらいの数の製造業が色めき立ったことでしょうか。まぁ、それは邪推の範囲ですから、これ以上の言葉は慎みますが、どこの業界でも熾烈な競争が繰り広げられていることを念頭に置いて、この種のニュースに接することを、習慣づけてみてください。

車両は新造することが出来ればそれでOKではありますが、気になることがまだ残っています。それは、今回のような水浸しになることが予想された場合の、車両の避難場所までの移動時間と場所の確保の事です。先日の災害の後、いろいろと根も葉もない噂が流されている一方で、真実として語られたのが、東北新幹線の対策方法に注目してみました。

聞けば、11か所の駅に車両を分散させる対策を取ったとのことでした。だれしも思いつく考えですが、これによって正常なダイヤを守って台風通過後に運転を再開することが困難になります。
通常は車両基地での仕業検査を受けてから、本線での運行に投入しますから、このように待避場所が散らばるとリカバリーが大変になるのです。でも、今回はこの策が功を奏しました。結果論ではありますが、「水は来ないだろう」「通過後の速やかな運航の開始」との考えが誤った判断となり、大損失を被ってしまったのです。

でも、これは、紙一重に判断の差だとは思いませんか。もう少し震災被害個所は小さく、北陸新幹線の車両基地には到達しなかったら、東北新幹線側の措置は、過剰と謗られたかもしれません。そういったことまでも含めて、冷静な判断を下すことの難しさを現場は人一倍感じていたのではないでしょうか。

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