「反復」の効用

「最近、物忘れがひどくなってねぇ。」この言葉は、人間だれしも30歳代以降は、頻繁に使っています。
照れ隠しとしては、もってこいの言葉ですが、ちょっと待ってください。本当に物忘れが激しくなっていますか。
確かに加齢とともに、新しいものを記憶する力は弱くなるようですが、そんなに酷くはないはずです。

新しいテレビドラマが始まったとします。自分が贔屓にしている俳優が出ていて、ドラマそのものが面白ければ、毎週欠かさず見ることになりますね。すると、このドラマを誰かに話すことがあるでしょう。そして、面白ければ面白いほど、あなたは熱を込めて話します。
すると、聞いている相手は「随分詳しく話すねぇ。」と心の中で呟いているかもしれません。

翻って、あなたがこの説明を聞く立場だとしましょう。あなたがこの番組を見ていなければ、この情報を耳にする機会は、この一回だけに終わる可能性があります。とすれば、日常のさまざまな情報の中の、たった一回では、印象にも残らず覚えていない可能性は極めて大きくなります。

ここに、物事を反復して記憶している立場と、一回しか記憶する機会が与えられなかった立場とに分かれますから、当然のように前者は強固な記憶を持ち、後者は聞いたことすら忘れてしまうことでしょう。これを後から、「ほら、この間話した、あれっ。」と言われてとっさに思い出せずに、「最近、物忘れがひどくなってねぇ。」となるわけです。

これは、PCインストラクターと生徒の関係を持ち出せば、納得できると思います。例えば、officeのワードの機能で、50ページもある長い文章は、そのままでは扱いにくいので、ページを振って目次を作る作業をすれば、市販の本と同じになり使い勝手は向上します。
さて、そこで皆さんに質問です。ページ番号はどうやってページごとに振るんでしたっけ。目次はどうやって、作るんでしたっけ?

インストラクターは、かなり頻繁にこの質問を受けますから、しっかりと淀みなく丁寧に教えることが可能です。でも、生徒からしてみれば、カリキュラムの中で、その操作は間違いなく一回だけやっています。反復してやる人は、実はほとんどいないんです。
質問される数だけ答える(=反復)から、覚えているのです。だから、この項目に関しては、「最近、物忘れがひどくなってねぇ。」には絶対ならないんです。

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