役者の根性

世の中に俳優と名乗る人たちは、有名無名取り混ぜれば、いったい何人くらいいるのでしょうか。その中で、一番私たちが目にするのはやはりテレビドラマの主役級の人たちでしょう。中でも、プロ根性を感じるのは、役作りのためとはいえ、がりがりに痩せて、いかにも病人然とした風貌に自身を変えてくるひとたちです。

しかも、驚くのが、その次の役が今度は健康そのものともなれば、筋肉隆々の二の腕、割れた腹筋、つやのある顔色などなど、つい数か月前の病人役とは似ても似つかない肉体を披露してくるのです。こんなに簡単に太ったり痩せたりキン肉マンになったりと肉体をいじめてまで演じる役者って、いったいどんな根性の持ち主なんでしょう。

しかし、あまりに極端な肉体の改造は、其れから数十年を経て、加齢が目立つ頃に、いったいどんな影響を及ぼすのでしょうか。それを心配させてしまうほどの執念を役者は感じさせます。整形手術とは異なる意味で心配をするのは、私だけなのでしょうか。

これと同等の変身を、特殊メイクで……というアプローチもあります。しかし、これもまた違った意味でメイクさんの執念を感じます。それは、傷口ややけどの痕の場面で、次第に治癒していく時間的経過を、筋書きに合わせてだんだんと軽いものに変形させていくその技術は、繊細なテクニックとイマジネーションが必要な世界です。なんにでも通じるのは、イメージをしっかり描いてことに当たれるかという能力の巧拙によるところが大きのです。

太い木の幹を一刀彫で見事な作品に仕上げていく職人は、こう言います。「木の中の作品が、どんな形に仕上げて欲しいのかを教えてくれるんです。私はその言葉をキャッチして、その言葉に合わせて、彫り進めるだけなんです。」聞きようによっては何とも気障に聞こえてしまう臭いセリフですが、そう思うのは俗人のやっかみと取れないことも有りません。

イメージで作り上げた世界は、このように確固としたものだと言いたかったのですが、それを役者は自分の役作りのためにかなり肉体的にきつい限界まで、攻め上げるのです。プロの世界とアマチュアの世界を線引きするのは、ここのところだとは思いませんか。

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