山田孝男伝説 その33

滝行 言うまでも無く、修験者の道を行く者は必ず通らなければならない行です。
この行は、水の落下を体が受け止めるという物理的な事だけでは済まされない作用を体にもたらしますが、それはある人にとっては激変と言って良い凄まじい変化を感じさせるものですので、自己流で滝行を行うと、必ずと言って良いほど事故を起こします。

それ程に滝行が心身に及ぼす影響は激烈なのです。では、事故とは一体どんなものなんでしょうか。

その前に、山田孝男氏が行っていた滝行指導の様子を説明しましょう。
氏の行う滝行の参加者には、或る条件が必須でした。
それは、氏の開催する瞑想講座の受講者である事でした。
瞑想講座には、当然、講義も有りますが、ざっくりと言ってしまえば、おもには瞑想に浸る時間と言って良いでしょう。
この瞑想体験こそが、心と体を滝行に向けての準備段階を担っていたのです。

講座の期間は半年程度でしたので、或る時は医者のインフォームドコンセントと同様の位置付けである、行の核心を説明する時間が設けられていました。
正に、それだけの長い時間を経なければ、滝行には参加させてもらえなかったのです。
これは、まことに賢明なアプローチでした。

滝は文字通り水が高所から連続して落下する場所です。
たとえ見た目には「あんな細い水の流れ」と思っていても、実際には水の重さに加えて位置エネルギーをも打撃する力となって、頭頂部から背中に襲いかかります。
体はそれを食い止めるために、全神経を集中させ両足は水に流されまいと踏ん張り、気合を入れた状態で数分間格闘します。
この時、体の深奥にスイッチが入ると、体の生命力の根源を司るクンダリニーが覚醒します。

クンダリニーは一旦覚醒すると、背骨にそって存在するスシュムナー管を登り始めます。
この時、心の準備ができていないと、クンダリニーが暴走を始め、手が付けられなくなります。
そうなったら、もう普通のメンタリティーしか持ち合わせていない人間には、どんな施術もできません。
目の前で、荒れ狂う根源のエネルギーに対抗しきれず身をよじる様を、漫然と見ているほかありません。

しかし、山田氏がその場に立ち会っていれば、そんなことが起きることはまずありません。
というよりも、絶対にありませんでした。
彼は、滝の前での新米行者に対する心身の統一を導く祈祷などのは直接携わらず、一歩身を引いて全体を俯瞰するかのようにして観察していました。

実際は、観察の中で場の調整を行いつつ、滝に打たれている者の状態を感じ取り、平穏に終了するようにエネルギーを操作していたのです。
その証拠は見えるものではありませんが、それなりに精神の活動レベルを制御する術を心得たものならば、氏がどんな強大な力を以て、全てが無事に終わるように調整してしていたかを、鮮烈な印象で受け止める事ができたはずです。(でも、実際はそれを感じ取れたものは極めてわずかでしたが…)

この話は、まだ続きが有るのですが、他の国が絡んでくるので、ここで終わりとします。


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