高齋正の反骨精神

近未来カーレース小説で、一時代を築いた高齋正は、端正な文体・
常に感謝が前面に押し出される表現で、好感のもてる小説家の一人
ですが、あることに対しては、激情的とでも表現したくなるほどの迫力
をもって、個人の意見を作品の中の人物に語らせています。

特にそれが顕著なのが、「激走のサーキット F3000篇」の最初の山
が収まりかけた部分です。
内容は、かなりご老体になってなお意気軒高で、独自の用語表現で
評論を書いている親トヨタ派のあの方を、徹底的に糾弾するがごとく、
舌鋒鋭く批判しているのです。

例えば、4バルブをしめす「クアトロヴァールヴォレ」を、「クアトロヴァル
ヴォーレ」、また、「ツインカム」を「ツウィンカム」・「チーム」を「ティーム」
とやったり
、以下略。

私も個人的には、「プアマンポルシェ」なるいやらしい表現を、日本で広
めた張本人として、この御仁は嫌いです。
いまだにシトロエン2CVをひっぱり出してきて、この車の持つノスタルジ
ックな味を、新車に求めるといった我田引水的な評論が目立ちます。

このご老体を正面から批判する自動車評論家が現れないのは、なぜな
のでしょうか。
それはともかくとして、高齋正はこの小説に限らず、かなりいろいろな作
品の中で、折に触れこの御仁についての批判を繰り返しています。
そしてそれは、まことに的を射ているために、嫌味にならず、逆に「そうだ
そのとおり。」と合いの手を入れたくなるほどなのです。

高齋作品を、ぜひお読みください。この問題以外にも、日本のモータース
ポーツが抱えている様々な問題を見事なまでに喝破しています。
やはり、凄い人ですね、高齋正は!

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