カラオケ満点は、本当に上手なのか。

時折テレビで目にする「カラオケで100点を出したら100万円」なんて言う企画は、番宣で数多く流す場面以外にも、これは!と思える程上手な素人が沢山出場してきます。本当に感心するほどにうまいのですが、これがまた不思議なほど聞いているうちに何か物足りなくなるのです。
カラオケの機械が採点している項目は多岐にわたりますが、そのどの項目も技術的にはかなり高度なものなのでしょうが、テレビに出てくるような素人は、それらを軽くクリアーしてしまいます。

中には、プロの持ち歌をそのプロに歌わせて採点するなんて言うえぐい企画も出てきたりしていました。しかも、プロの持ち歌を歌っても満点はでないのです。これって物凄い矛盾だとは思いませんか。しかし、ここにこそ素人とプロの差があるのです。自分の持ち歌であれば、聴衆を魅了できる力を持つ歌手も、他の歌手の歌を歌っても特に上手とは感じられないのと同じです。

この差は実はプロの歌手ならではの余裕に違いに有るのだと気付きました。
素人の歌唱で目立つのは、一所懸命さです。プロだって一所懸命歌っているじゃないかと反論を受けそうですが、歌唱に熱が入るあまり、音の少しの外乱でも素人は音程を崩すことがあります。まったく余裕がない状況で箇所ですから、それは致し方ありません。

でも、そんな場合でもプロは確実に外乱を処理してしまいます。そこの安定感という歌をうまく歌う以外の要素が隠されています。
卑近な例を挙げましょう。五輪真弓という歌手のコンサートに行った時のことです。
軽妙な喋りがメインの前半が終わり、歌唱で勝負!の後半が始まって間もなくのことです。

朗々と声を出しながら、やや早めの動きを付けながら、舞台上を大きく丸を書くように歩いている時でした。舞台は見るからに急ごしらえの箱を敷き詰めたうえに布をかぶせてイメージを作っていましたので、隙間が有ったのでしょう。彼女のヒールが箱と箱の隙間にスポッと入ってしまったのです。
当然、体は大きくぐらつきました、が、声の出方に微塵も変化はなく、聴衆の方が「!!??!!」と声にならない程の息を飲む瞬間ではあったのですが、この瞬間だけ舞台から視線をそらしていた友人が、会場の異様な息を飲む様子に何が有ったのかと、そちらの気配の変化に気を取られてしまっていたことが有りました。

これぞ、プロの凄みを見た瞬間でした。

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