川端龍子

近代日本画の巨匠の一角を占める川端龍子(かわばたりゅうし)は、自ら主宰する青龍社(全盛期には50人以上のメンバーを抱える)で、活発な活動を展開していたことで有名です。しかも、通常、作家の記念館は画業が素晴らしかったことをこのまま埋もらせるのは惜しいとする文化人の力で、没後に建てられるのが普通のパターンですが、川端龍子の場合は、作品は会場で見てもらって人の心をつかむものとの信念のもとに、会場芸術主義を掲げ、大画面による渾身の作を発表し続けた作家でした。

その龍子記念館は、氏の没後青龍社が解散すると同時に大田区に寄贈されました。
今は、南馬込の閑静な生活道路に面して、静かに建っています。春になれば見事が花が咲くであろうりっぱな桜並木です。
高床式構造の少し変わった作りです。入場料は何といまどき200円です。

散歩のついでに、気持ちの整理にと、気軽によれる場所が近くにある人は、意外にこの記念館を知らないみたいなのです。
もっとも、日本画そのものが今は変容してきて、昔ながらの岩絵の具の透明な色感が、見られなくなっているのも、日本画に対しての志向が減ってきた原因かもしれません。

日本画に限らず、画壇というのは、その時々のコンクールの一席作品を真似る傾向が、近年は特に強くなってきました。
画家としての個性を発揮するより、寄らば大樹の陰的な没個性でも何でもよいので、とにかく名前を売ろうとするさもしさ丸見えの画家の卵が多すぎるのが原因と、雑誌の批判文が痛烈に看破していましたが、まさにその通りなのが現状です。

ですから龍子のように気概に溢れた作家は、気力の面でも素晴らしいものを持っていたと評されるのでしょう。
いろいろ書きましたが、何はともあれ、その画業を見ることでその一種独特の世界観にあっという間に飲み込まれてしまうかもしれません。
川合玉堂や横山大観に興味をお持ちなら、すぐに川端龍子も見るべきです。

感性は、磨いておくと後々自分の人生を豊かにしてくれますよ。

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