桑田次郎

マンガ家桑田二郎は、エイトマンで有名ですが、原作者が付いています。「幻魔大戦」の平井和正です。このコンビで作り上げたもう一つの作品が、「エリート」です。
エリートは、地球文明を見守る存在である「アルゴール」によって覚醒させられた3人の男たち(赤ん坊・中学生・犯罪者)を中心に据えたドラマです。

ドラマの導入部分がとても魅力的で、主人公の中学三年生 滝竜太郎が学校の帰り道で、突如、空から降ってきたある光に体を覆われ、気が付くと超能力が身についていて、本人が当惑してしまいます。しかし、思ったことが実現してしまう、例えば、今までいじめられていたグループに遭遇した時には、素手でブロック塀を派手に破壊して悔悛させたり、物品引き寄せや空中浮揚も出来てしまいます。
しかし、その対価として極度な疲労に襲われ、………?

そう、ここでストーリーの記憶が曖昧なため、奇跡的に残っていただ一巻を読み直してみました。
「空から降ってきたある光に体を覆われ、気が付くと超能力が身についていて………」の部分は、別のマンガの冒頭部分だったのです。
「物品引き寄せ」のシーンは見つからず、「空中浮揚」に至っては、主人公が必要に迫られて自分で作った飛行スーツでした。
ことほど左様に記憶は曖昧なものですが、ただ一つ記憶とぴったり合っていたのは、絵の質です。

典型的な漫画の線で構成されています。すなわち無駄な補助線がほとんどない端正な、すっきりとした綺麗な線で絵が描かれています。
今のマンガには求め得ないほどきれいです。最近の若者がスマホで見ている漫画は、やたら目がとがるとか、口角が三角形に切れ上がっているとかまことに見るに堪えないほど、絵の技術は稚拙なものが溢れています。

手塚治虫・藤子不二雄・寺田ヒロオなど、昭和30年代から50年代に活躍した漫画家は、やはり超一流だったことがいまさらながらではありますが、再認識しました。その一群に桑田二郎は入っていましたが、残念な不祥事のせいで絶筆してしまいます。取り敢えず禊を済まして、中断していたエイトマンの最終章を加筆した「完全版」なるものが朝日ソノラマから出版されましたが、その線の勢いは往年のものとはまるで異なるか細い力の無いもので、とてもがっかりした記憶が有ります。

あの往時の勢いを保持していたら、きっと「エリート」も素晴らしい作品になった筈と思うと、残念でたまりません。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント