氾濫vs越水 用語は難しい

台風19号の未曾有と言ってよいほどの規模の長時間降雨によって、大河川で洪水が各所で引き起こされましたが、それを伝えるニュースやコメントの中で、「河川の氾濫」「河川の越水」という言葉が妙に気になりました。どちらも堤防が壊れたわけでなく、水が堤防を越えて溢れてきたことを表現する言葉です。ではどう違うのでしょうか。(堤防が壊れれば、「決壊」です。)

「越水」と書かれると、いかにも水が堤防を越えてきたイメージが強いです。他方、「氾濫」という字は、文字の感じ方からして、川の水が溢れてきた様子を端的に表現できている言葉です。これの違いは、「越水」は堤防を水が乗り越えてくることで、川幅いっぱいに水が流れていなくても、カーブするところで水の勢いで堤防を水が乗り越えることを言います。

「氾濫」は、川幅いっぱいに水が流れ、それでも行き場がなくなってしまって堤防から溢れることを言うのだそうです。どっちだっていいじゃない?と思える程の差ですが、やはり専門家の立場からすれば区別したいんでしょうね。さらに言うなら、「溢水」という言葉もあります。この言葉は「越水」の親戚筋のような言葉で、堤防が無い部分での「越水」に当たる用語です。

他にも、水に関する用語の解説は、国土交通所のホームページに掲載されています。一度目を通してみるのも一興ですよ。以下のURLは、国土交通省中部地方整備局木曽川上流河川事務所の用語解説ページです。
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/explanation/index.html

中学の地理の時間に、肥沃な耕作地はどうして生まれるかというものが有りましたが、その源は氾濫です。氾濫によって上流から流されてきた様々な植物などの残骸が菌類によって分解され、地中の栄養となっていくと授業で教わっているはずです。川が氾濫することによってできた自然堤防の両側に、氾濫原と呼ばれる場所が出来ます。ここでは、その栄養によって作物が良く育ちます。

しかし、氾濫による被害もまた受けることが多々あります。それを防ぐために、砂防ダムや各種ダムを整備し、頑丈な人口堤防を築く作業が行われます。つまり治水事業ですね。しかしこれによって氾濫が抑制されると、土地は痩せていき作物が取れなくなっていきます。二律背反のお手本のような現象が、人類と自然の間で繰り広げられてきたんです。

学校の授業、思い出しましたか>?

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