富士フィルムの変身は?

デジタルカメラの爆発的普及は、フィルム需要の激減に繋がりました。
銀塩フィルムの市場において、コダックとの壮絶なシェア争いをしてい
たこと自体が無意味と化してしまった今、コダックは会社更生法の適用
を申請して、事実上の倒産をし、片一方の富士フィルムは、鮮やかな転
身に成功し、事業の拡大が急です。

この差は何処から来たのかと疑問に思っていました。
答は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」と言う経済番組で、詳しく説明され
ていました。(2012/5/10放映分)

富士フィルムは、デジタルカメラの製品を出してはいますが、さほどのシェ
アは持っていません。
一見場違いな化粧品分野で、稼げるようになっていたのです。
松田聖子・中島みゆき・小泉今日子をCMに起用したことでも話題になって
いますが、何と言っても化粧品に使われるアスタキサンチンを超微粒子化
する技術が、フィルム事業で培ったそれと同じ技術の応用だったそうです。

番組では、超微粒子化される前のアスタキサンチンが水に全く溶けないの
に対し、超微粒子化した後は、いとも簡単に溶けるさまを映していましたが、
この技術に加えて、フィルムのベースはコラーゲンそのもですから、二つの
技術が合わさって化粧品に展開できたわけです。

また、フィルムに使われているTACフィルムは、保護膜として最高の光学性
能を持っていたため、液晶テレビの偏光板保護用に用途ができ、今では世界
シェア70%だそうです。
更には、メディカル分野でも、X線フィルムのストックをデータベース化して、
新規患者の撮像とマッチングさせる技術を開発、がんの診断にも役立っていま
す。

このように大企業の屋台骨を支えていた製品が、急速に衰退する中、新規の
商品を開発して、企業を縮小させずにさらに発展させたことは、特筆されるべき
事象でしょう。
私自身は、富士フィルムの製品は使わず、コニカ一辺倒でしたが、ミノルタと合
併し、更にはそのミノルタ自体が、カメラ部門をソニーに身売りしてしまったこと
など、大企業であってもどこで躓くか分からない時代、富士フィルムの躍進は、
他企業のお手本になります。

トヨタが自動車が売れなくなったときと同じ状態と思ってよいと番組ホストの村上
龍が言っていましたが、正にそれくらいの大変化だったのです。

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