テネシーウイリアムズ-さけび

翻訳本 ー 完売となりましたので、お知らせいたします。

さけび とは、何とも直接的な題名ですが、この本の冒頭からして、
不思議な幕開けです。

なにしろ、いきなり劇中劇なのです。
心して読まないと、展開を負うことが困難なほどです。
原作者がこの本の書き出しで、最初のこの公演は失敗に終わった
というふうな表現が有ります。

練度の高い役者と緻密な神経を持った演出者でなければ、表現し
切れないであろうことは、容易に考え付きます。

空間を効果的に使った舞台設定を、本からは情景を提供してくれて
いますが、実際の舞台で演じ切るためには、客との距離感をどう掴
み、どうにかして舞台空間を客席全体にまで広げ得るかで、出来不
出来が左右されるでしょう。

発声の仕方によって、場の設定が微妙に変化する仕掛けが施され、
体操で言う『ウルトラC』いや『ウルトラD』の演技力を、要求されます
から、役者は相当精神的にタフでないと、務まらないように感じます。

それほどの濃い内容が、訳本でありながら伝わってくるのは、訳者の
凄まじいまでの集中力のなせる業であると思えます。
訳者は、現役バリバリの英語の准教授の地位にあり、普段はとても
物腰の柔らかい風であり、一旦教壇に立てば、張りのある声で授業
を強力に引っ張るメリハリのある方です。

出版社:カモミール出版
訳者:大森裕二
監訳者:長田光展

授業内容に接したならば、学生のために心を砕くその姿勢に、「こんな
先生ばかりなら…」と思わずにはいられない方です。

訳本とは、かくありきの見本のようなさけび』
本当にお勧めです。

この記事へのコメント

2019年08月16日 18:56
ご感想をコメント頂き、ありがとうございます。本書の訳者のひとりの代理の者です。

出版から9年近く経ち、お陰様でアマゾンを含む大手の書店でも在庫切れとなりました。これを機に、一区切りとしてコメントの削除をして頂きたく、お願い申し上げます。
よいレビューを頂いたこと、重ねてお礼申し上げます。

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